【高論卓説】醜悪な老人の「跋扈」 リーダーはきれいな引退を (1/2ページ)

2015.8.24 06:16

 「事業の進歩発達に最も害をするものは、青年の過失ではなくて、老人の跋扈(ばっこ)である」という伊庭貞剛の名言を思い出した。伊庭は明治時代に総理事として住友財閥を発展させた名リーダーである。

 最近、「元首相」の肩書で政治的発言を繰り返す面々を見て、政治と企業経営とは世界が異なるが、老害については同じだなと思った。

 91歳の村山富市元首相は、安倍晋三首相の戦後70年談話に対して「何が言いたいのか、さっぱりわからない」と腐した。自分が出した戦後50年談話を踏襲していないと不満を述べたのだ。

 村山氏を含めて、細川護煕氏(77)、羽田孜氏(80)、鳩山由紀夫氏(68)、菅直人氏(68)の5人の元首相は、安全保障関連法案に反対する提言を発表している。首相時代に日本の進歩発達に寄与したとは思えない方々だが、朝日新聞デジタルによって5氏の提言を読んでみた。傑作なのは鳩山氏である。

 「私も総理として大変に稚拙だったと反省する身ですので、あなた(安倍首相)に大きな顔をしてお説教をする立場ではないことをよく心得ています」と一言断っている。それなら黙っていたらと言いたいが、この人にはつける薬はなさそうだ。

 前述の伊庭貞剛は「老人の跋扈」を戒める「少壮と老成」を発表して、57歳で引退した。滋賀・石山に隠棲(いんせい)して、79歳で永眠した。

 住友財閥で常務理事を務めた歌人の川田順は「住友回想記」に、「伊庭は心の人、徳の人であった」と書いている。

 人望を集めた「伊庭のえらさ」は、「自分がいまだ六十歳にもならぬうちに、四十三歳の鈴木に総理を譲って、さっさと故郷の山に帰臥(きが)した高士ぶりである」という。なかなか真似のできることではない。

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