三井物産は、世界第9位のチリのサケ養殖・販売会社であるサルモネス・マルチエキスポート(サルメックス)に年内をめどに約121億円を出資、持ち株比率を23.4%とする。世界的な人口増や新興国の中間層増大でサケ需要は堅調で、設備増強などで供給力を高め2025年に現在の約7万トンを10万トンに拡大する計画。
三井物産は13年に、銀サケやトラウトサーモンを中心に養殖・販売するサルメックス子会社に出資し、日本向けに供給していた。今回その親会社に出資することで世界的に需要が高いアトランティックサーモンの養殖・販売も手掛け、販売先を中南米やアジアに拡大する。
大手商社は日本向け安定供給とアジア市場開拓を狙い、養殖事業を強化。三菱商事は昨年業界2位でノルウェーとチリの2大生産地に拠点を持つセルマックを1500億円で完全子会社化するなどサケ養殖への投資が相次いでいる。