【浜松物語 「やらまいか」精神を訪ねて】(37)ノーベル賞の研究支える (2/2ページ)

2015.11.17 05:00

 ◆匠の技が大事

 --モノづくりに人間のアナログ感覚も生かされている

 「光電子増倍管のサイズには広いバリエーションがあり、直径1センチ程度のものから『スーパーカミオカンデ』で使われている世界最大の直径20インチ(約50センチ)の大型のものまである。こうした機器は機械で自動的に製造されていると思われがちだが、匠の技に支えられている部分も大きい。なかでも光を電子に変換する『光電面』を製作する際、表面にアンチモンを薄膜状に蒸着させた後、ナトリウムやセシウムなどと化学反応させるのだが、つい最近まで、現場の作業者がバーナーで管を加熱しながら、微妙な色の変化を見て反応の頃合いを判断していた」

 「こうした人の技術が大切だ。超円高時代に多くの企業が生産拠点を海外に移したが、われわれはあえてそれをしなかった。浜松という場所に愛着があるのも確かだが、当社は現場と人で持っている。光電子増倍管にしても、最適な光電効果、すなわち感度を得るには、人の技術や経験に基づく暗黙知が必要だ。そこが浜松ホトニクスの基本的な強みであり、安易に海外に製造拠点を作っても、良い製品ができるとは思えない」

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【プロフィル】晝馬明

 ひるま・あきら 米ニュージャージー州立ラトガース大学コンピュータ・サイエンス専攻卒。1984年10月、浜松ホトニクスに入社し、米ハママツ・システムズ・インクに出向。米ハママツ・コーポレーション社長などを経て、2009年から現職。59歳。浜松市出身。

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