「テロ被害者の遺族が多いパキスタンや中東では、日本以上に必要とされている」と感染症予防キットと同じように海外への普及も図る。
現在、毎月パキスタンに赴き、現地調査を続けている。来年には事務所を立ち上げ、3年ほど駐在して中東、アフリカ事業を本格的に進める。
「衛生状態を改善して多くの子供を助けたい。10年後には成長した子が祖国の発展のために尽くしてくれるかもしれない」と新興国でのビジネスの進展に期待を寄せる。(佐竹一秀)
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≪Q&A≫
■家族に合わせた介護生活を
--父親の介護を16年間続けながら起業した
「父が倒れた後、母と一緒に自宅で介護をした。一時期ショートステイに預けたが、車椅子に拘束されている姿を見て、最後まで自宅で看ることにした。介護鬱になり、深夜にガスの元栓を開けて一家心中を図ったこともある。このときは愛犬が異常に気付いてほえたことでわれに返り、思いとどまった。早退や遅刻が多くなり会社勤めが困難になったことから、転職するような感覚で起業した」