中堅企業の知財部門立ち上げ支援をしている発明推進協会がある発明会館=東京都港区【拡大】
地域にある公的な相談窓口では、企業に対して経営戦略や研究開発戦略とともに知財戦略の必要性について相談員が指導する。ただ、中堅企業の知財部門立ち上げ支援や海外進出時の個別案件の解決といった、具体的な経営領域に深く踏み込んだ支援の受け皿は、なかなか見つからないのが実情だ。
一方、情報収集も一朝一夕にはいかない。大手のサロンに入ることは中堅企業にはハードルが高い。年間売上高が数百億円に達し、本格的な知財部門の立ち上げが可能な事業規模に達していながら、前に進めないでいる。
知財立国宣言から10年以上がたった。企業の自助努力は第一義だが、普及啓蒙(けいもう)主体の中小企業支援とは違い、実践段階にある中堅企業の知財力強化は行政の盲点となっているのではないか。待ったなしの状況である。(知財情報&戦略システム 中岡浩)