日本を選んでくれた大切な“お客さま”を「爆買い」呼ばわりする違和感 (3/3ページ)

　免税店を全国展開しているＡＬＥＸＡＮＤＥＲ＆ＳＵＮ（アレキサンダー・アンド・サン）も良心的な価格設定に努め、求めやすい環境づくりを心掛けている。

　訪日客は、さまざまな国の中から日本を選んでくれた「お客さま」である。今後は「もう一度、日本に行きたい」と思ってもらい、口コミで日本の評判を伝えてもらうことや、リピーターとなって再度訪れてもらうことが重要になってくる。それなのに、中国人観光客に対して「爆買い」と呼び、流行語大賞にまでなってしまったことを大いに心配している。

　ＡＬＥＸＡＮＤＥＲ＆ＳＵＮは、アジア諸国の観光客にメード・イン・ジャパンの優れた商品を販売するため、免税店をはじめ、観光バス会社の運営やホテル事業を展開している。

　この連載では、主に中国人観光客の実態を伝え、訪日外国人を増やすための課題と展望を示していく。

【プロフィル】鄒積人

　すう・せきと　米サンタモニカ大（カリフォルニア州）留学。２００３年から現職。１２年に日本政府観光局（ＪＮＴＯ）会員である富士山国際観光協会の理事、副会長に就任。富士山の世界遺産登録の際に５合目の環境美化や交通渋滞緩和などのための活動を行う。３７歳。