スイスのベンチャー企業クライムワークスによる、二酸化炭素の回収・貯蓄システム(同社提供)【拡大】
クライムワークスの顧客第1号はチューリヒ市内にある温室だった。光合成に最適な状況で植物が成育するように、CO2の濃度を高める必要があったのだ。同社はCO21トンを約100スイスフラン(約1万1350円)で作り出し、それを200~300スイスフランで売却する。
ゲバルド氏によれば、炭酸飲料や食品保存、病院が同社の潜在的な市場となる。これらの業種は通常、CO2を化石燃料から生成する化学工場から供給を受けている。
クライムワークスは「炭酸飲料世界最大手」と協議中で、今年前半に契約する見通しだ。
同社が大気から取り出したCO2は、誰かがコーラの缶のタブを開けると、大気中に戻ってしまうが、それでも同社は化学工場の半分のCO2排出量で済むため、地球に貢献していると主張する。
ゲバルド氏は「当社が大気中からCO2を除去する分だけ、化石燃料を掘削しなくて済む」と話している。(ブルームバーグ Anna Hirtenstein)