新経営体制を検討中のセブン&アイ・ホールディングスが15日、取締役会の諮問機関として人事案を検討する指名・報酬委員会を開く。焦点は、7日の取締役会で自らの提案が否決されたことを受け、辞任を表明した鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)の後任人事だ。取締役会で意見が真っ二つに割れる異例の展開で生じた混乱の早期収束に向け、社内にしこりを残さない新体制案が示されるかが注目される。
鈴木氏の後任として有力となっているのは、コンビニエンスストア事業を担当する中核子会社、セブン-イレブン・ジャパンの井阪隆一社長だ。指名・報酬委のメンバーでもあるセブン&アイの村田紀敏社長兼最高執行責任者(COO)も混乱の責任を取り、新体制のめどがつけば鈴木氏とともに退任する見通しだ。
その場合、井阪氏を中心とした集団指導体制に移行し、会長やCEOは当面置かない方向だ。セブン-イレブンの社長には、井阪氏と二人三脚で業績を伸ばしてきた古屋一樹副社長の昇格が検討されている。
15日の指名・報酬委は、新体制案への関与を否定した鈴木氏を除く、村田氏と社外取締役の伊藤邦雄・一橋大大学院特任教授、米村敏朗・元警視総監の3人で議論する。鈴木氏が井阪氏の昇格に不満を示しているとの見方も出ており、適材適所の人事案の模索がぎりぎりまで続いている。