【高論卓説】地方銀行の不要論 貸し出しできず手数料頼みで機能不全 (1/2ページ)

2016.6.2 05:00

 10月に予定されていた銀行窓口での保険販売の手数料開示が延期された。これは手数料収入の低下を懸念した地方銀行の反対によるものだ。なぜ、金融庁が開示を求めたかといえば、銀行窓口で販売されている保険商品に著しく手数料が高いものがあり、消費者を保護する目的からである。

 自らの保身のため、これに反対する銀行の存在は迷惑な存在であり、滑稽(こっけい)でしかない。そもそも論でいえば、銀行は客から集めた資金を又貸しし、その利ざやを抜くのが商売であり、貸し出しできないから手数料で稼ぐというのは邪道でしかないといえる。もっとはっきり言ってしまえば、お金を貸せない金貸しなど無用の長物だ。

 昨今、問題になっているマイナス金利の話も同様である。銀行は、銀行の銀行である日本銀行に当座預金を持っている。この預金残高は約250兆円に上っている。そして、このうち保証金に該当する準備預金は約30兆円であり、約220兆円は銀行が貸し付けたり、運用することができなかったお金だ。

 本来、普通預金などと違い当座預金には金利がつかない。これは日銀の準備預金も同様だった。しかし、2008年11月、リーマン・ショックへの緊急対応として、日銀は準備預金を超える部分に金利をつけることを決定、現在もこれが維持された状態になっている。

 先日、導入されたマイナス金利も、既存の預金残高250兆円を超える部分に対して、マイナス0.1%の金利がかかるにすぎず、今も220兆円に対して0.1%の金利2200億円が日銀から銀行に支払われ続けている。はっきり言えば、補助金のようなものであり、ノーリスクで国からお金をもらっているのだ。

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