「ロカボマーク」をアピールする北里研究所病院糖尿病センター長の山田氏(左)とパティシエの辻口氏【拡大】
肥満や糖尿病の人は主に、カロリー制限による食事療法を行う。しかし、このダイエット法は苦痛を伴うため、途中で我慢できずにたくさん食べてしまい、リバウンドを引き起こすケースが少なくない。これを踏まえて注目されているのが、緩やかな糖質制限によって楽しい食生活を送り、健康増進につなげようとする考え。新たなヒット商品に発展する可能性が高いだけに、食品メーカーや外食店の動きも活発だ。
苦痛なく健康増進
世界的なパティシエとして有名な辻口博啓さん(49)は職業柄、毎日20個にも及ぶチョコレートやケーキを試食してきた。しかし40代後半になると、さすがに「きつい」と思うようになってきたという。新陳代謝が悪くなり糖質の存在が気になるためだ。
そこで低糖質スイーツの開発に向けてさまざまなダイエット法の書籍などを調べる中で、「無理がない手法だ」と感じてアプローチしたのが、山田悟・北里研究所病院糖尿病センター長が唱える「ロカボ」だ。
1食当たりの糖質量を20~40グラムに抑え、それとは別に間食として1日10グラムまでのスイーツも食べ、1日の糖質摂取量を70~130グラムにしようというのがロカボの考え方。普通の食事の半分弱という感覚だ。