【“人”が変える地方創生】中小企業にプロ経営者を 久保田雅俊 (1/2ページ)

2016.7.13 05:00


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 私が経営する会社では「世界中の経験・知見が循環する社会の創造」というビジョンを掲げ、個人が複数の企業に同時参画して持てる力を生かすという「新しい働き方」を追求してきた。この活動は、異なる企業同士や産学などの連携で革新的なサービスを生む「オープン・イノベーション」にもつながっている。

 「新しい働き方」と「オープン・イノベーション」は、優秀な人材を東京から地方に展開し、中小企業に新たな活路を見いだしてもらう手法としても注目されるようになった。本連載では、今後の地方創生の鍵となるこの2つの潮流についてお伝えしたい。

 地方創生には、何よりもまず、中小企業支援が必要不可欠だ。日本の会社の99.7%は中小企業で、そのほとんどが家族経営。そこで課題となるのは「プロ経営者の不在」だ。「お金のことは銀行さんに」「税務のことは税理士さんに」といったパーツごとの外部パートナーはいるが、それらの情報を社内で掌握し判断できる人が、社長以外にいないのだ。

 実は私も、かつてこの問題に直面した。私の父は地元の静岡県で学習塾を経営し、一代で地域大手に育て上げた。しかし私が大学生の頃に病に倒れ、昏睡(こんすい)状態に陥ってしまう。父がいなければ金庫の暗証番号も、顧問税理士が誰なのかさえも分からない。家族や関係者との相談を重ね、会社を清算せざるを得ないという結論に至った。トップが欠けると、中小企業は見るも無残な状態になってしまうのだ。

 同じような課題を抱える会社は、日本中にたくさんあるはず。少子高齢化がさらに進むと、「後を託せる親族さえいない」という企業も増えていくのではないだろうか。

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