【“人”が変える地方創生】プロ人材が地方企業の上場計画先導 福田悠 (1/2ページ)

2016.8.24 05:00

福田悠
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 20店舗超の飲食店を展開するワールド・ワン(神戸市中央区)は、「上場」という新たなステージを目指して経営の舵(かじ)を切った。その変革を支える外部プロ人材の事例をご紹介したい。

 長時間労働などの過酷な環境がクローズアップされがちな外食産業にあって、意図せず疲弊してしまう可能性がある従業員や、日頃その姿を見ている家族に安心感を与えたい。法規制を明確にクリアし、正しい経営を進める企業であることを伝えたい。そんな思いで、上場を目指す同社の戦略が動き始めた。バラバラだったブランド戦略に統一感を持たせ、地方の特産品を活用する店舗作りも進めている。新たな居酒屋業態「土佐清水ワールド」では、過疎化に苦しむ高知県の土佐清水市から食材を仕入れることで地元の活性化に取り組み、メディアからも注目された。

 そんな同社で上場戦略の陣頭指揮を執る取締役の羽場洋介さんは、「社内の人間だけで物事を進めると、既存の企業文化や人間関係を前提にしがち。外部人材として、それらを無視した立場で戦略を考えてほしかった」と語る。社内にはない成功体験を持つ人材に「ばっさり」アドバイスをしてもらうことで、会社を変革するための劇薬としたい。外部のプロ人材を活用した背景には、そんな思いもあったという。

 上場プロジェクトをリードした専門家、阿部洋士さん(47)は、イベント制作や飲食事業を手掛ける会社の役員として、海外を含む50店舗以上の飲食店をプロデュースした経験の持ち主だ。現場を重視し、全店舗を回って運営状況を改善。週に2日、東京から神戸に通い、半年間にわたって店舗のサービス向上に貢献した。

 実は、同社の羽場さんは監査法人出身。財務分野における上場支援を専門としている。しかし飲食事業を動かした経験はなかった。「阿部さんのように現場に魂を込めていただける外部プロ人材の存在は心強く、スムーズに施策を実行していくことができた」と振り返る。

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