大和ハウス工業は女性活躍の推進に力を入れており、2020年にはグループ全体の女性管理職の数を、16年4月比で2倍強に相当する500人まで拡大する計画を進めている。こうした中、10月にマンション管理会社である大和ライフネクストの新社長に石崎順子さんが就任した。大和ハウスグループ主力企業初の女性トップとして、手腕に注目が集まっている。
◆フラットな視点で
石崎さんが日本リクルートセンター(現・リクルートホールディングス)に入り、社会人として歩み出したのは1983年。男女雇用機会均等法が施行される3年前で、「実家から大学に通っていなければ、採用しません」という時代だ。
女性に活躍の場が与えられていたリクルートでさえ、当時は男社会。その中で頭角を現すのは並大抵ではない。バブルの絶頂期に突入していった80年代後半に課長に就いたときは、「強引に仕事を進めるブルドーザータイプ」だったという。
しかし、多くの現場に触れ考え方も徐々に変わっていく。30年近く経過した現在の経営哲学は「自然体で臨み、既成概念にとらわれずフェア・フラットな視点で物事を見る」だ。
92年にリクルートがダイエーグループに入り、福岡市のシーホークホテル&リゾート(現ヒルトン福岡シーホーク)に、アフリカをテーマにしたリラクセーションクラブを開設するプロジェクトに携わった。「何でそんな楽しいことをやらせてもらえるの」と言われるほど充実した日々。とくに中内功会長と一緒に仕事をしたことは、物の見方などを培っていく上で大いに勉強になった。
その後、ダイエーの業績悪化に伴い、新たな職場を模索。大和ライフネクストの前身であるコスモスライフへと転職することになった。