遅延10分の1「5G」開く未来 ドコモ整備 警備やVR、遠隔手術も (2/2ページ)

 新日鉄住金ソリューションズとは、ロボットアームとVR端末を組み合わせた遠隔作業支援システムを試作。ゴーグル型の端末を装着し、離れたところにあるロボットアームなどの機器を操作する仕組みだ。通信によるタイムラグが少なく、大容量のデータをやりとりできる5Gによって実現するシステムだ。

 この技術を精緻化すれば、医師が遠隔操作でロボットを使い、遠隔地の患者を手術することも可能になる。ドコモ5G推進室の中村武宏室長は「技術的にはハードルが高いが、可能性はあり、ニーズも大きい。医療分野でも協業について検討している」と話す。

 また、5Gの可能性について、栄藤稔・ドコモ執行役員は「情報通信技術を他の事業と掛け合わせることで、新しいものが生まれる」と強調した。(高橋寛次)

【用語解説】5G

 携帯電話などで使われる次世代無線通信システムで、「第5世代移動通信方式」の略。従来に比べ100倍の超高速通信や100倍の機器との同時接続、伝達遅延の低減などの特徴を持つ。2020年度の実現を目指し、産官学による研究開発が進められているほか、総務省は主要国と連携した標準規格化などに取り組んでいる。