■日本のノウハウ生かし開発支援
日本のモノづくりの世界観やノウハウをアジアに広め、それによって生まれたアジア発の商品を世界に羽ばたかせたい-。化粧品や日用品などの分野で商品の企画や開発支援を展開しているビルダー・ジャパンの上原智子代表取締役はいま、日本のモノづくりのノウハウをベースにした、中国企業に対する商品開発支援に乗り出している。
選ばれるモノづくり、特に商品の世界観が問われる化粧品や日用品の分野では、価格戦略や機能競争もさることながら、使用感や香り、それらを含めた全体のバランス、容器の色や形といった総合的な“完成度”がものをいう。以前は価格面が問われた中国市場でも、現在では品質や完成度の低いものは売れないという。
◆市場に合わせ調整
こうした中で人気を博しているのが、日本製の化粧品や日用品だ。上原代表取締役は「コンセプトがしっかりしており、効能や使用感、香りなどのバランスも控えめなところで調整されているあたりが、日本製品の人気の要因。いま支援している中国メーカーの製品も、そうした日本製品の作り込みをベースにしている」。
とはいえ、日本製品の模倣品を作ろうというわけではない。「中国では、日本製品でも香りがきついなどの声がある。一方で、ボトルの色使いなどは日本とは好みが異なり、派手めなものが好まれる。そういうことを加味し、日本製品風ではあるが中国市場向けにローカライズした独自の商品開発に協力している」
一部の中国製品は品質や価格面で、すでに日本のドラッグストアで見かける商品群と遜色ない。中国ではやや高価な部類に入るが、「現地では化粧品、日用品に対する出費は惜しまない傾向が強いということが人気の背景にある」とみている。