□産経新聞編集委員・松岡健夫
今年に入り2人の元アスリートから話を聞くことができた。一人は相撲の世界で活躍した元小結舞の海の舞の海秀平氏。もう一人はヤマハ発動機ラグビー部を率い、監督を任されると必ず日本一を成し遂げてきた清宮克幸氏。ともに「型をもつ」ことの重要性を教えてくれた。
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舞の海氏は、今年初場所で大関稀勢の里が初優勝し横綱昇進を決めた直後という絶好のタイミングでNPO法人「広報駆け込み寺」の交流会に招かれ「可能性への挑戦」と題して講演。相撲道について、「礼節を重んじ、勝っておごらず、負けてひるまずの精神」と紹介。「努力は当たり前で稽古は量より内容(質)」「あきらめずに挑戦すること。そうしないと思考停止に陥る」など、相撲論をユーモアを交えながら説いた。話を聞きながら、自分の型をもつまで質の高い稽古に励むことが相撲の世界で成功に導くと理解した。
清宮氏は、明治安田生命保険が16日に開いた異業種交流会に登場。「勝てる組織・勝てるリーダー」をテーマに、監督に就任した早稲田大学、サントリー、ヤマハで日本一を達成できた要因を話した。特に現在監督を務めるヤマハについて、2008年のリーマン・ショックによる業績悪化でトップリーグから脱落しかねない危機的状況から日本選手権優勝までの道のりを紹介した。