タイヤの値上げが相次いでいる。中国などでの旺盛な需要を背景に主要原材料となる天然ゴムや合成ゴムの価格が高騰しているためだ。小売価格に転嫁されれば家計の圧迫要因になる。
最大手のブリヂストンは乗用車向けの夏用タイヤの出荷価格を6月1日から平均6%引き上げる。乗用車用タイヤの値上げは平成23年以来6年ぶり。オートバイ用も6%、トラック・バス用(夏・冬)は8%、建設・鉱山車両用は10%それぞれ値上げする。昨年秋から天然ゴムが投機的な動きで値上がりしたのに連動しブタジエンなど合成ゴムの市況も上昇。ブリヂストンは2月17日の決算発表会見時に、江藤彰洋執行役副社長が「価格対応が必要になる」と、値上げ実施を示唆していた。
企業のコスト削減努力では原材料高騰分を吸収できないとして値上げで先行したのが横浜ゴム。4月1日分から夏用乗用車タイヤの出荷価格を平均6%引き上げた。東洋ゴム工業は夏、冬用乗用車タイヤを5月1日出荷分から平均5・5%値上げし、住友ゴム工業も「値上げを検討している段階だ」(広報部)という。
出荷価格が上がっても実際の店頭価格は自動車用品店など小売り側が決める。ただメーカーの値上げの足並みがそろいつつある中、じわりと店頭価格の上昇につながる可能性も高い。