シャープ首脳は11日、東芝が分社化した半導体子会社「東芝メモリ」(東京)の買収交渉をめぐり、交渉が成立した場合に米国で半導体工場を建設する計画があることなどを示唆し、親会社の台湾・鴻海精密工業が主導する枠組みに参加する形での獲得へ強い意欲を表明した。
東芝が東芝メモリに出資する企業を選ぶ入札手続きでは、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と、産業革新機構や日本政策投資銀行が組む「日米連合」が有力候補として浮上している。
他陣営との競合により不利な情勢が伝えられる中で鴻海とシャープの連合による買収は、技術流出を防ぐ目的で、日本政府が外為法に基づく中止や見直し勧告を出す可能性があることが、障害の一つとなっている。
こうした懸念についてシャープ首脳は、最近になって経済産業省側から外為法上の問題はないとする趣旨の感触を得たとして、買収実現に向け期待感を示した。