稚内信用金庫の本店(ブルームバーグ)【拡大】
500億円の内部留保は「70年余りかけ蓄積した地域経済のバックボーン」であり、「反社会的勢力など問題のある先を除き、全ての資金需要に応える姿勢を貫いてきた」と胸を張る。その上で、「貸し出しに積極的な競合行の存在を逆手にとって、戦略的に有価証券運用を志向する高知信金と、ここに至る過程は似て非なるものがある」と違いを強調する。
黒田東彦日銀総裁が異次元緩和を導入した13年4月。増田氏は直後に開いた営業店長会議の冒頭で、「止めたくても止められないエンドレスの政策を選択したという意味で、日銀はパンドラの箱を開けた」と訓示した。この4年間を振り返り「案の定そうなりつつあり、いずれ耐えられない金融機関が増えてくる」と語る。
黒田総裁は5月16日、都内のセミナーで、自身の来年4月の任期満了後の金融政策運営について「誰がトップであっても、日銀には将来の緩和解除にうまく対処する十分な手段がある」と述べた。増田氏は「いざ何かが起きたときは恐らく、これは想定外の出来事で、前の人がやったことだと言って終わりで、誰も責任を取らないのではないか」とみる。