シャープは24日、米国で液晶テレビの新ブランドを立ち上げ、米市場に再参入する方針を明らかにした。中国企業に販売権を譲渡し、米国では「アクオス」ブランドを使えないためで、アクオスよりも高級な商品と位置付けて売り出す。
アクオスに代わるブランド名やロゴデザインの商標登録が近く完了する。画面サイズを60型以上の大型に限定し、映像の美しさや音質を強化した品ぞろえとする。新ブランドでの販売は来年以降になる見通し。
液晶テレビは親会社の台湾・鴻海精密工業が持つ米国の工場で生産する。かつてのシャープ主力工場で、現在は鴻海子会社の堺ディスプレイプロダクト(堺市)が技術を供与する。
シャープは2016年に中国家電大手、海信集団(ハイセンス)に米州でのアクオスのブランド使用権や生産設備を譲渡し、米国の家庭向け液晶テレビ市場から撤退した。鴻海の傘下入り後に方針変更し、買い戻しを目指してきたが、交渉は難航している。