シャープの戴正呉社長は10日、フジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)への支援について「日本企業による日の丸連合でないと(国際競争に)負ける。もしシャープが主導すれば(立て直す)自信はある」と述べ、技術協力や共同事業など経営支援に前向きな姿勢を示した。
シャープからJDIへの直接出資やM&A(企業の合併・買収)は、中小型ディスプレー市場で寡占状態を招いて独占禁止法に抵触する恐れがあるとして否定した。しかし戴社長は「シャープ、JDIが得意技術を持ち寄ってできることはいろいろある」と話した。
JDIは中国など海外企業へ支援要請しているとみられるが、一方で技術流出などの警戒感もある。シャープも昨年8月に鴻海(ホンハイ)精密工業グループ入りしたが、戴社長は「シャープは国内の民間企業だ。雇用を守り、技術流出もしていない」と強調した。
シャープは鴻海傘下入り後、今月12日で1年の節目を迎える。戴社長は「国内事業は合格だが、海外事業は不合格」と評価。8月から、戴社長自ら海外事業統括を担当し、構造改革や販売拡大のテコ入れに乗り出した。
今後については、「シャープはグローバル企業になろうとしており、もっと海外販売ができるはずだ。例えば、人工知能(AI)センサーやスマートフォンなどを拡大できる」と意気込んだ。