ANAホールディングスの完全子会社で格安航空会社(LCC)のバニラ・エア(千葉県成田市)は22日、同社の航空機に搭乗するたびに購入金額に応じポイントがたまるサービスを9月に始めると発表した。国内LCC業界で初の取り組みで、航空券や手数料の支払いに充てられる。今後は機内の飲食などに使い道を広げるほか、他社ポイントとの連携も検討し、高い頻度で利用する顧客の獲得につなげたい考えだ。
新サービスの利用に必要な会員登録の受け付けは、同社ウェブサイトで22日に入会費無料で開始した。
航空券代や座席指定料、手荷物預け入れ料などの購入金額の1%のポイントを搭乗日の1週間以内に付与する。1ポイントは100円。今後1年間で50万人の会員獲得を目指す。
同社は2013年12月に運航を開始。現在は国内と国際合わせて14路線を運航し、さらなる市場開拓を狙うが、海外航空各社の相次ぐ参入などでLCC市場の競争は激化している。
千葉県の成田空港で開いた記者会見で山室美緒子副社長は「単なる価格だけでなくサービス品質を高めていくことが他社との差別化につながる」と述べており、今後もポイント付与サービスを拡充する方針だ。