痴漢冤罪保険があれば… 「少額短期」保険市場切り開く ニッチな商品開発に脚光 (1/4ページ)

SOMPOホールディングスグループ2社に「明日へのちから」の商品説明を行う安藤克行アイアル少短社長=8月29日、東京都品川区
SOMPOホールディングスグループ2社に「明日へのちから」の商品説明を行う安藤克行アイアル少短社長=8月29日、東京都品川区【拡大】

 生活者や企業からの「こんな保険をつくってほしい」という要望に応えてきた少額短期保険会社の存在感が高まってきた。SOMPOホールディングスグループから協力要請を受けたアイアル少額短期保険(東京都中央区)が新商品を開発した。少短と従来の保険会社が手を組むのは初めて。保険会社は万人を対象にするため、需要があっても小口で収益性が乏しいと判断すれば開発を見送るが、独自性にこだわる少短はニッチ商品でも顧客が求めるなら商品化に取り組む。こうした姿勢が評価された。

 大手から初の依頼

 アイアル少短が開発したのは、介護度改善を応援する国内初の保険「明日へのちから」。要支援・要介護認定を受けている人が自助努力で状態区分を改善した場合、祝い金を支払う。まずはSOMPOケアメッセージとSOMPOケアネクストの入居者・利用者に1日から提供を始めた。保険への加入が介護度改善に向けたリハビリなどに意欲的に取り組むインセンティブになると期待する。

 両社の社長を務める遠藤健氏は「(通常の保険と違い)元気になると保険金が支払われるので、元気な暮らしを取り戻そうと取り組む人が増えるきっかけになればいい」という。アイアル少短はSOMPOでの販売状況を踏まえ、その他の介護施設などにも広げる考えだ。

 SOMPOがグループ内の保険会社ではなくアイアル少短に開発を依頼したのは、要支援・要介護という限られた層をターゲットにしているため。

「10年たってようやく大手保険会社から認められた」