希望退職募集、上場20社に 転職し易さ向上も影響

 希望退職者や早期退職者を募集した上場企業が8月末時点で20社となり、昨年1年間の18社を既に上回ったことが11日までの東京商工リサーチの調べで分かった。企業が適時開示した資料を基にまとめた。前年水準を上回るのは2012年以来、5年ぶり。

 業績不振による人員削減だけが理由でなく、好調な企業が将来を見据えて事業の選択と集中を図っていることが募集増につながったもようだ。東京商工リサーチの担当者は「有効求人倍率が高水準で推移し、退職者の転職先探しが容易になっている点も募集に踏み切れる要因だ」と指摘する。

 募集人数が最も多かったのは、ニコン(グループ会社含む)の1000人。次いでスズケン(同)の350人、ジャパンディスプレイの240人、スリーエフの180人となっている。業種別では、電気機器が8社で最も多かった。希望・早期退職の募集は、リーマン・ショック直後の09年には191社に上った。