【東芝臨時株主総会詳報】(2)綱川社長「人材流出起きているとは考えていない」 (1/3ページ)

会場受付へ向かう株主ら=24日午前、千葉市美浜区 (川口良介撮影)
会場受付へ向かう株主ら=24日午前、千葉市美浜区 (川口良介撮影)【拡大】

 会社側の説明は1時間18分で終わり、出席した株主との質疑応答が始まった。綱川智社長ら経営陣が、それぞれの質問に淡々と答えていく。

 --(男性)株式譲渡先だが、ベイン・キャピタルとHOYAの議決権株式の内訳は。東芝の議決権は何%を維持するのか

 成毛康雄副社長「ベインとSKハイニックスが49・9%。HOYAは9・9%出資し、東芝が40・2%。東芝とHOYAで全体の50・1%を保有する」

 --(男性)米ウェスチングハウスが原発建設会社S&Wをゼロ円で買収した結果、7千億円もの損失を被った。2015年1月の取締役会で資産査定が報告されたと思うが、どう対処したのか

 桜井直哉・上席常務(法務部担当)「米国での原発建設でかなりのコスト上昇が想定されていた中、電力会社から訴訟を起こされていた。工事の効率性が上がらなかった。S&Wは、単純に買収したわけではなく、電力会社から30億ドルの契約金上積みを頂けるなど諸々の付帯要素があった。実際の買収では専門家の資産査定を頂き、取締役会で決済を頂いた。さまざまな条件を念頭に入れて決議を頂いた次第だ」

 佐藤良二・監査委員会委員長「資産査定などの手続きは十分に成された、というのが監査委員会の意見だ」