【東芝臨時株主総会詳報】(4完)独禁法クリア「必死に努力する」

東芝臨時株主総会の会場受付へ向かう株主ら=2017年10月24日、千葉市美浜区
東芝臨時株主総会の会場受付へ向かう株主ら=2017年10月24日、千葉市美浜区【拡大】

  • 東芝臨時株主総会の会場受付で手荷物検査を行う関係者ら=24日午前、千葉市美浜区 (川口良介撮影)

 総会の開始から2時間40分を超えた。株主から経営陣への質問が続くが、議長の綱川智社長が「あと2人で採決に移りたい」と宣言する。

 --(男性)会計不祥事を起こした過去の役員、社長らの責任はどうなっているのか

 古田佑紀・監査委員(社外取締役)「第三者調査委員会の調査結果を踏まえ、役員責任調査委員会でさまざまな角度から検討してもらった。元社長3人(田中久雄氏、佐々木則夫氏、西田厚聡氏)とCFO(最高財務責任者)2人(村岡富美雄氏、久保誠元氏)に不正があると認められたことを前提とし、(平成27年11月に)東京地裁に損害賠償訴訟を提起した。現在、審議中だ」

 --(男性)東芝メモリの売却を応援したい。売却完了まで5カ月ほどしかないが、(売却益によって)株主資本が3300億円まで回復するのは、いつメドが立つのか

 綱川社長社長「応援ありがとうございます。独占禁止法の審査で売却の承認を得るため、必死に努力したい」

 平田政善専務(財務担当)「論点は大きく2点ある。まず米WDとの訴訟解決だが、ベイン・キャピタルが『未解決でも引き取る』と大筋合意しており、残る課題は独禁法のクリアとなる。現在、10カ国程度でベインが審査申請をしている。当社も協力して各国での審査をクリアしていきたい」

 2人との質疑応答が終わり、綱川社長が採決に移ると宣言。拍手がわく一方、「議事延長」を求める声も上がったため、綱川社長が延長動議への反対を問い、拍手で承認された。

 その後に総会の議案3件、6月の定時株主総会で報告できなかった平成29年3月期決算▽取締役10人の承認▽半導体メモリー事業売却-を1件ずつ問い、そのたびに拍手と「異議なし」の声で承認された。

 午前10時に始まった臨時株主総会は、大きな混乱なく12時52分に終了。幕張メッセの会場には株主633人が出席し、質問した株主は16人、質問数は19項目に及んだ。

(1)半導体子会社の売却先 綱川社長「妥当と判断」 を読む

(2)綱川社長「人材流出起きているとは考えていない」 を読む

(3)「神戸製鋼からの購入1600品種」「現時点で安全性の問題はない」 を読む