■EVや自動運転普及で商機拡大
東京モーターショーでは電機各社の出展も目立った。日立製作所と日立オートモティブシステムズがEVに欠かせないモーターやリチウムイオン電池などの先進技術を展示した。特殊ゴーグルを装着し仮想現実(VR)の映像の中で自動運転を体験できるアトラクションも登場。「渋滞を予測し自動で別ルートをとるなど想像でしか知らない自動運転の世界を知ってもらえる」(広報)。
オムロンはデジカメ開発で培った画像認識技術などを応用し、センサーやカメラが運転手の表情や姿勢などを把握して見守る世界初の技術を披露した。うつむいた状態が長く続くと集中が途切れていると車側で判断する。「自動運転が普及する将来、万が一の場合に自動停車させるといった利用を想定する」という。
一方、三菱電機が出展した次世代コンセプト車「EMIRAI4(イーミライフォー)」。人工衛星の開発を手がける同社が得意とする高精度測位技術と3次元(3D)地図と組み合わせ、拡張現実(AR)の技術を使って運転席のディスプレーに車線などを表示する。前が見にくい悪天候時でもディスプレーを見れば安全に運転できる。
いずれも元から同社内にある技術だけに、石川達也・自動車機器事業部長は「未来の車に必要な技術は、自動車サプライヤーではなくわれわれにある。時代は、ビジネスチャンス拡大の追い風になっている」と語った。