トヨタ、日産、ホンダ…大競争時代に突入 海外企業を巻き込む「自動車三国志」 (1/5ページ)

 自動車業界は世界を巻き込んだ大競争時代に突入した。日産自動車はエコカーで本命視される電気自動車(EV)で先行。ホンダはハイブリッド車、燃料電池車で先行し、EVを含めた全方位作戦。トヨタ自動車を追走する日産、ホンダはこの大競争時代をどう生き抜くか。『図解!業界地図2018年版』(プレジデント社)の著者が分析する。

日産自動車の電気自動車「リーフ」の新型モデル=千葉市美浜区

日産自動車の電気自動車「リーフ」の新型モデル=千葉市美浜区

 日産は初の販売台数世界一を狙う

 今回は日産自動車とホンダのエコカー戦略にスポットを当ててみよう。日産は今年9月、完成車検査における不正問題を公表し、約120万台リコールに追い込まれている。だが、これまではエコカーで本命視される電気自動車(EV)で先行し、追い風を受けていた。

 ここでは2017年3月期の決算数値から、日産とホンダの実力を図ってみたい。まずは、企業規模を確認しておこう。

(PRESIDENT Onlineより)

(PRESIDENT Onlineより)

 日産自動車は提携関係にある仏ルノーと三菱自動車の3グループ合計で、2022年の世界販売台数1400万台の目標を掲げる。3社連合は17年通年で1000万台を突破し、ドイツのフォルクスワーゲンやトヨタ自動車を上回り、販売台数世界トップを初めて奪取する流れだ。

 ただし、日産の連結決算上の販売台数そのものは、400万台前半での推移。ホンダはさらに下回る300万台半ばである。

 ホンダの場合は、二輪車の販売もあることから売上高で日産を上回るが、それでもトヨタ自動車のおよそ半分。当期純利益ともなれば、日産、ホンダともトヨタのおよそ3分の1だ。

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