NTTドコモは8日、離れた場所から人間の動きに合わせてロボットを遅延なく操作する実験など、2020年の商用化を目指している第5世代(5G)移動通信方式を活用した開発状況を報道陣に公開した。
5Gは、現行の4Gの約10倍の毎秒20ギガビットの高速通信や4Gの約10分の1の低遅延が特長。ロボットの上半身を人間の動きに合わせて動かす実験では、5Gの低遅延の特長を生かし、人間が指や体をひねったりすると、ほぼ同時にロボットが連動した。実験は、人間とロボットが並んで行われたが、将来的には離れた場所にいる人が5Gを使ってロボットを動かすことを想定している。
ヤマハと協力して商用化を目指している、遠隔地にいる音楽家同士が遅延を感じることなく合奏できるサービスの実験も公開。会場内の離れた場所にいるミュージシャンのピアノと歌の演奏を5Gで結ぶことで、1カ所で披露しているような遅延のない演奏が流れた。ドコモの担当者によれば、離れた場所の演奏家が違和感なく演奏するためには、遅延は10ミリから20ミリ秒ほどとされているが、5Gの活用によって数ミリ秒という低遅延を実現したという。
ドコモ先進技術研究所の中村武宏5G推進室室長は「5Gの開始時点で、さまざまな起業との提携したサービスを投入していきたい」と話した。