堺市とNTT西日本、メガネ型翻訳機使った実証実験 世界文化遺産登録を想定しインバウンド強化へ

メガネ型翻訳機「コムスメガネ」を使って会話する外国人ら
メガネ型翻訳機「コムスメガネ」を使って会話する外国人ら【拡大】

 堺市とNTT西日本は、メガネ型翻訳機「コムスメガネ(仮称)」を使った実証実験を堺区の市博物館で始めた。堺市などに広がる「百舌鳥(もず)・古市古墳群」の世界文化遺産登録を見すえ、増加が予想されるインバウンドの対応の強化を目指す。

 コムスメガネは、NTT西日本が開発。日本語や英語の簡単な会話をリアルタイムに翻訳し、聞き手が着用するメガネのグラスに字幕表示される。字幕表示の対応言語は、日本語▽英語▽中国語(簡体字)▽韓国語-の4カ国語。

 実用は全国で初の取り組みといい、来月27日まで博物館に4台配備し、外国人観光客らが無料で利用できるようにする。音声認識や翻訳精度などを検証し、効果がみられれば、本格導入も検討する。

 市によると、市博物館の外国人観光客数は昨年度は1539人だったが、今年度は11月14日時点で1534人と昨年度を大きく上回る見込み。竹山修身市長は「世界文化遺産登録後に、堺を訪れる外国人が快適に周遊できるようにすることが重要。実証実験などを通じて、訪れた方のニーズをしっかりと検証し、おもてなしの充実にいかしたい」と話している。