三菱マテリアル不正、つぎはぎ組織が死角生む 統合繰り返し、企業統治追いつかず (2/2ページ)

検査データ改ざん問題について会見する三菱マテリアルの竹内章社長(右)=24日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)
検査データ改ざん問題について会見する三菱マテリアルの竹内章社長(右)=24日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)【拡大】

  • 検査データ改ざん問題についての会見で、会場に入る三菱マテリアルの竹内章社長=24日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)
  • 検査データ改ざん問題について会見で謝罪する三菱マテリアルの竹内章社長(左から2人目)=24日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)
  • 検査データ改ざん問題について会見する三菱マテリアルの竹内章社長(左から2人目)=24日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)
  • 検査データ改ざん問題について会見する三菱マテリアルの竹内章社長=24日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)

 神戸製鋼所で起きたデータ改竄問題を厳しく批判してきたある大手メーカーの会長でさえ、「自分の会社の海外の孫会社あたりで、不正が発覚し、明日、自分が謝罪する可能性もある」と漏らす。「それぐらいの緊張感を持って、常にグループ会社のコンプライアンスの検査や監査をすることが必要だ」とも話し、かじ取りの難しさを指摘する。

 三菱マテリアルも事業拡大でガバナンスの難易度が増すのに伴って、子会社や製造拠点に対して高い水準の取り組みを求めてきた。三菱電線の村田博昭社長は会見で、「連結子会社になった後は、それ以前よりもコンプライアンスなどは厳しくなった」と弁明し、さまざまな施策を打ってきたことを強調する。

 ただ、こうした取り組みや多様な制度があっても、コンプライアンス問題が生じるのが現実だ。竹内氏は「ガバナンス強化の手を緩めることはない」と会見で言及したが、信頼回復につなげる取り組みを明確にすることはできておらず、大きな課題が積み残しになっている形だ。(平尾孝)