【トップは語る】クロスフォー 顧客、作り手、従業員の満足実現に注力


【拡大】

 □クロスフォー社長 土橋秀位さん(63)

 --看板商品である宝飾品「ダンシングストーン」が大ヒットしている

 「この商品は2010年に企画・開発した。11年には特許も取得。広告宣伝も積極的に行ったが、“動き出したら止まらない”というコンセプトが消費者に受け入れられたと思う。ペンダントやピンブローチなど各種用意するが、現在はこの商品群に絞った営業を進めている。完成品に加え、部品の供給にも対応し、販売先もアジアを軸として世界に広げているところだ」

 --今年夏には株式上場も果たした

 「00年ごろから上場を目指した。かねて100年企業をつくりたいと考えており、そのためには上場を機に資本と経営をはっきり分離しようと考えた。創業者が100年経営を続けられるわけではない。経営のバトンタッチがスムーズにできるようにするためにも、株式公開は得策だ。従業員の励みにもなる。クロスフォーには『全従業員の物心両面の幸福と安定を追求する』という企業理念がある。上場はそれに向けた取り組みの一つでもある」

 --今後の目標は

 「『ダンシングストーン』を世界に広め、誰もが知っている商品に育てたい。当社は工場を持たないファブレスだが、作り手は世界的な宝飾加工産業の集積地である山梨・甲府のメーカーだ。山梨は水晶の産地だったことから加工産業が発展。江戸時代以前から受け継がれた長い歴史と技術がある。『ダンシングストーン』は、この甲府の高度な技術があって実現した。この商品の興隆は甲府の地場産業の活性化にもつながる。買い手である顧客の大きな満足、作り手である甲府のメーカーの満足、そして、クロスフォー従業員の満足という“三方良し”の実現を目指す。そのためにも、変化と創造に挑戦し続けたい」

                  ◇

【プロフィル】土橋秀位

 どばし・ひでたか 大学卒業後、宝石学を学ぶために渡米。1980年、宝石輸入卸会社の土橋宝石貿易を創業。87年、シバド(現クロスフォー)設立。山梨県出身。