NHK、最高裁判決を受信料徴収の「錦の御旗にしない」「公平負担の徹底に努めたい」 上田良一会長会見詳報 (4/5ページ)

NHKの上田良一会長(伴龍二撮影)
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 「公共放送としての役割を認識していただいたうえで、それに対して、受信料という、特殊な負担金をお願いしている。公共放送の役割を果たしている、という視聴者の信頼がない限り、単に訴訟だけを持って受信料をちょうだいする、ということは考えていない」

 「判決でもNHKからの一方的な申し込みで受信料が発生するものではなく、(視聴者と)双方の意思表示の合致が必要、という指摘もされている。繰り返すが、これまで通り、公共放送の役割や受信料制度の意義を丁寧に説明する姿勢に変わりはない」

 --訴訟を起こすとNHK側もかなりの労力になる。任意で契約を促すような方策などの検討の余地は

 「昨日判決が出たばかりで、その判決に基づいてどうNHKとして対応するのか。NHKの裁量で許されるものと、NHKの裁量だけでは対応できないものも当然出てくる。そういうことも含めて少し検討しないとならない。私のほうからはっきりした形での回答は差し控えたい」

 --「公共性」を視聴者に説明する責任が、より大きくなった。中期経営計画に盛り込む公共性のイメージを具体的に説明してほしい

 「公共的価値を、はっきりとみんなが答えられるような言葉を詰めているところだ。次の経営計画の中で明確に打ち出したい。そして、その意味するところを、きちんと解説していきたい」

 --受信料支払い率の向上策として、9月に「NHK受信料制度等検討委員会」から答申を受けた、公益事業者から提供される居住者情報の利活用について現在どうなっているのか