改竄問題で初、神鋼に損賠訴訟 カナダの消費者4人、請求額不明

神戸製鋼所東京本社=東京都品川区
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 神戸製鋼所は8日、アルミ・銅製品などの性能データ改竄(かいざん)問題に関連して訴訟を提起されたと発表した。改竄問題での訴訟提起は今回が初めて。同様の動きは今後広がる可能性がありそうだ。

 カナダの消費者4人が同社とグループ会社を相手取り、同国の裁判所に損害賠償を求める訴訟を提起した。データを改竄したアルミなどが使われた自動車を購入し、不当に高い対価を支払わされたとしている。神戸製鋼はまだ正式な訴状を受け取っておらず、訴訟手続に入ったとは認識していないほか、請求額も不明という。「訴状の正式な送達を受けた場合は弁護士と協議の上、適切に対処していく」としている。

 神戸製鋼は真岡製造所(栃木県真岡市)のアルミやアルミ合金の板などが、日本工業規格(JIS)認証の一時停止処分を受けたことも発表した。また子会社の神鋼メタルプロダクツ(北九州市門司区)では、工場の熱交換器などに使う銅と銅合金製の継ぎ目のない管が認証を取り消された。いずれも品質管理体制に問題があるためという。

 一連の問題で処分を受けるのは、子会社のコベルコマテリアル銅管秦野工場(神奈川県秦野市)と長府製造所アルミ押出工場(山口県下関市)に続き4拠点目。処分対象の製品は、JISマークをつけて出荷できなくなるが、「性能的にはJIS規格相当の製品を提供させていただくことは可能」として供給を続ける方針。