キーコーヒー、地球温暖化に危機感 直営農場で新品種の栽培実験 (3/4ページ)

パダマラン農場の実験圃場を視察し、コーヒーの育成状況を確認するWCRのティム会長(右)とキーコーヒーの柴田裕社長(長谷川周人撮影)
パダマラン農場の実験圃場を視察し、コーヒーの育成状況を確認するWCRのティム会長(右)とキーコーヒーの柴田裕社長(長谷川周人撮影)【拡大】

  • 協力生産農家に協力を呼びかける柴田裕社長(長谷川周人撮影)
  • 優秀な生産者を表彰するキーコーヒーアワードで開かれた農業技術の講習会(長谷川周人撮影)

 高品質のコーヒーを安定供給するには、生産者の理解と協力は欠かせない。ティム会長は優秀な生産者を表彰する「キーコーヒーアワード」にも出席し、「いいコーヒーを育てれば、未来も開けてくる」と生産者に呼びかけた。貧困からの脱却を実現したアフリカにおける自身の経験から、「生産者の自主性を引き出すことこそ、品種改良とその普及を成功に導くカギになる」という認識からだった。

 世界と情報共有

 およそ40年の歴史をもつトラジャ事業で、キーコーヒーが注力してきたテーマの一つが、「地域との共生」だった。柴田社長がアワードで「私たち全員の絆を大切にしたい」と訴えた背景には、トラジャコーヒーは全出荷量の2割が直営農場で生産され、残る8割は近隣の協力生産農家から買い付けているという事情がある。しかもキーコーヒーが定める高い品質基準は生産段階から保つ必要があり、周辺農家の協力なくして事業は成り立たない。

 その一方、トラジャも地球温暖化の影響を受け、「雨期から乾期への季節の境目が見えにくくなり、豆の生育不良や収穫時期の不安定化を招いている」(吉原さん)。

 山間部のトラジャでコーヒー生産を手掛けるのは小規模農家が多く、一定の収穫量が確保できなければ、収入を確保しようと他の農産物への転換を図る可能性も捨てきれない。まして成長が続くインドネシア経済の現状を考えれば、都市化の加速が将来的な農業離れを生む可能性もある。

「コーヒーの未来を守り抜くのが企業としての責務」