東芝とWD和解 半導体訴訟取り下げ、共同投資再開 経営再建へ前進

東芝の本社が入るビル=東京都港区
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 東芝は13日、半導体子会社「東芝メモリ」の売却で対立していた提携先の米ウエスタン・デジタル(WD)と和解したと発表した。両社ともに売却をめぐる訴訟を取り下げ、四日市工場(三重県四日市市)で半導体メモリーの共同投資を再開する。半年超にわたる係争が終わり、経営危機からの脱却に大きく前進する。

 両社は四日市工場での合弁契約を延長し、建設中の第6棟への設備投資を共同で行う。投資や生産配分は東芝6割、WD4割という既存の枠組みを維持する。東芝が岩手県北上市で来年着工する新工場でも共同投資する方針だ。

 東芝は今年9月末に東芝メモリを米ファンド主導の「日米韓連合」に売却する方針を決めた。買収陣営に参加する韓国半導体大手SKハイニックスによる東芝メモリへの関与制限などでも合意したもようだ。

 WDは東芝メモリの売却に反対し、5月に国際仲裁裁判所に提訴。一方、東芝も四日市工場での設備投資を単独で行うことを決め、対立は先鋭化した。和解により、東芝は裁判所の判断で売却が頓挫するリスクが消え、WDも共同投資の再開で最先端の製品を調達できるようになる。

 東芝は今月、約6000億円の増資を完了し、来年3月末までに売却が間に合わなくても2年連続の債務超過を回避するめどがついた。だが、金融機関の支援を得ながら財務に厚みを持たせるため、来年3月末までの売却を目指す。売却完了へのハードルは中国など各国の独占禁止法の審査に絞られる。