外食大手、年末年始休業の動き広がる 人手不足で「年中無休」見直し (1/2ページ)

記者会見に臨む大戸屋HDの窪田健一社長=18日、東京・銀座
記者会見に臨む大戸屋HDの窪田健一社長=18日、東京・銀座【拡大】

時短・省力化…働き方改革

 「年中無休」の看板を下ろす外食大手の動きが目立ってきた。大戸屋ホールディングス(HD)は18日、定食チェーン「大戸屋ごはん処」の直営店の約半数に当たる80店を、今年の大みそかと来年の元日に休業すると発表した。深刻な人手不足を背景に、各社が「働き方改革」のかじを切りつつある。

 大戸屋は今年も、来店が見込めないビジネス街を中心に40店舗を元日休業としていたが、さらに規模と日数を倍増させる。窪田健一社長は同日の記者会見で「上乗せ時給を払って無理に営業するより、みんなで休んで心と体の健康を保ちたい」と休業の意図を説明した。

 ロイヤルHDは、天丼チェーン「てんや」直営店の8割に当たる約120店舗を元日休業に。さらに「ロイヤルホスト」は、5月と11月にも一斉休業日を設ける。居酒屋のテンアライドも、「旬鮮酒場天狗」など全店で大みそかに休む。

 いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員は「(先行したロイホなどが)深夜営業を短縮しても、大きな減益にならなかったことが背中を押している」と分析する。ただ、業界全体への拡大に関しては「人が動く季節は書き入れ時でもある。経営者の考え方にも左右されるだろう」とみる。実際、モンテローザは今年、居酒屋「白木屋」など10店舗で試験的に日曜か月曜を定休日としたが、11月で終えた。「広げる予定はない」(広報)という。

人手不足に「特効薬はない」