強まる商工中金の完全民営化論 慎重論の政府と温度差 次回20日会合は非公開で議論 (1/2ページ)

 不正融資が発覚した商工中金について、完全民営化を求める声が強まっている。今後の在り方を検討する政府の有識者検討会では民間金融機関として再出発させる方向で話が進んでおり、「政府系」にとどめたい経済産業省は水面下で軌道修正を画策。これまで公開で議論してきた検討会の20日の会合は急(きゅう)遽(きょ)、非公開となるなど見通しは不透明感が増している。

 「完全民営化について、委員に大きな認識の差はない」。検討会座長の川村雄介・大和総研副理事長は、これまでの議論をこう総括する。有識者の議論が民営化に収(しゅう)斂(れん)されていったのは自然な流れだった。

 会合ではまず、不正の温床となった公的制度融資「危機対応融資」について、規模を縮小する方向で大筋合意。そして、商工中金の新たな収益源を検討する中で出てきたのは、中小企業の事業再生や事業承継といった分野だった。

 ただ、この分野には日銀の金融緩和で収益悪化にあえぐ地域金融機関が進出しようとしており、金融庁も推奨している。政府系の商工中金が参入すれば再び民業を圧迫しかねず、委員からは「民間が進出してきたら撤退するのが筋」「民営化した方が民業圧迫を心配せずやれる」と民営化を求める声が強まっていった。