人間超え目前? AIコピーライター「AICO」コピー大賞入選 静大など開発、「産経」を入力すると… (2/2ページ)

AICOで作成したキャッチコピーを紹介する狩野准教授=静岡県浜松市中区城北の静岡大浜松キャンパス(石原颯撮影)
AICOで作成したキャッチコピーを紹介する狩野准教授=静岡県浜松市中区城北の静岡大浜松キャンパス(石原颯撮影)【拡大】

 現状の約6割が日本語として意味が通じるレベル。その内の半数が使ってもいいレベルで、プロのコピーライターが採用する“かもしれない”レベルは全体の約1割。“かもしれない”はコピーの善しあしは主観的な評価のためだという。

 コンクールは、AICOが生成したキャッチコピーから狩野准教授や研究室生が選んで応募。匿名審査で入賞したことにより、実際の広告に使用可能なことが証明され、「コピーライターの発想を手助けする実用レベルに到達した」と狩野准教授は評価する。

 近年流行のビッグデータを活用した学習と異なり、専門的なノウハウをAIに覚えさせることで、より人間の思考プロセスに近づける方向で開発を重ね、精度向上につなげたい考えだ。

 今後、高度な日本語のキャッチコピーが高確率で作成できれば、時間や場所、人の性格なども考慮し、より消費者に響くメッセージが発信できるようになるという。狩野准教授は「かなり近い将来に実現する」と見通す。

「産経を、日本人に。」

 同研究室はAICOのほか「ロボットは東大に入れるか」の社会科用システムや対話ゲーム「人狼」の自動プレーヤー作成など、AIを使ったユニークな取り組みをしている。狩野准教授の究極の目標は「会話できるAIを作ること」。

 試しに「産経」をキーワードに生成してもらったところ、「産経を、日本人に。」のキャッチコピー。やるじゃないかAICO。