鹿島は複雑な地盤状況を高い精度で調査できる小型地盤調査車「miniGeo(ミニジオ)」を開発したと発表した。同社が導入した従来車を7年ぶりに刷新し、車両の長さをほぼ半分にまで小型化、総重量を約3分の1にまで軽量化するなど、コンパクト化したほか、走行用ベルトを採用して傾斜地や地表面が軟弱な場所でも利用できるようにした。
建物を構築する場合、硬質な支持地盤にまでくいを確実に到達させることが必要だが、一般的なボーリング調査だけでは費用や工期面で限界があるほか、特に傾斜地や起伏の大きい支持地盤の正確な把握は難しい。
ミニジオは、従来車と同じ調査能力を備えた上、従来車と比べて車両の長さ(4.5メートル)は約2分の1、総重量(7.5トン)も約3分の1にまで小型化した。さらに、クラウドや全地球衛星測位システム(GNSS)などの情報通信技術(ICT)を活用して計測・データ処理能力を向上させた。
地盤調査車による地盤状況の調査時間は、一般的なボーリング調査と比べて約10分の1。このため、削孔箇所をより多くして支持地盤の分布状況を詳細に把握できるのが利点だ。
15年に発覚したくい打ちデータ偽装問題を受け、地盤調査の重要性について建築主の意識が高まっており、鹿島は地盤調査車を積極的に運用する方針だ。