【高論卓説】乳酸菌市場に挑むキリン 新ブランド浸透は需要創造戦略が鍵 (1/2ページ)

 競合品の多い激戦区で新ブランドを確立するのは容易ではない。キリングループが9月に発表したプラズマ乳酸菌を配合した食品やサプリメントの新ブランド「iMUSE(イミューズ)」は、独特の策を講じている。これはキリングループの将来を占う試金石でもある。「プラズマ乳酸菌による新事業創造で、事業のポートフォリオを変革する」と、磯崎功典・キリンホールディングス社長は記者会見でぶち上げている。

 だが乳酸菌を売り物にする商品はスーパーなどの食品売り場にあふれている。キリンはそこに割って入るわけである。少子高齢化で磯崎社長が「胃袋ビジネス」というビールや清涼飲料などの国内市場は頭打ちである。「iMUSE」は、放置しておくと病気になりかねない「未病」領域の人たちを対象にした商品である。今や4人に1人が高齢者の日本には、巨大な未病の市場が眠っている。

 しかし消費者に「また乳酸菌?」と片付けられる恐れがある。他社と横並びの売り方でシェアを争うのは得策ではない。キリンは需要創造型のマーケティングを模索している。具体的には、医師、看護師、薬剤師、栄養士などの専門家に、研究成果に基づいてプラズマ乳酸菌の特異な性質を説明する活動に取り組んでいる。「普通の乳酸菌と何が違うのか、科学的なデータに基づいて理解してもらうため」と、事業を推進する佐野環・事業創造部長は言う。

 プラズマ乳酸菌は体内にあるプラズマサイトイド樹状細胞を活性化する。これにより免疫機能が活発になって、侵入したウイルスを攻撃する。さらに老化を遅らせる作用もあるという。

薬局、医療機関などの市場開拓に乗り出す