教習所、ドローンで生き残り 車離れ・少子化で苦境 高い安全意識に強み (2/3ページ)

ドローン教習所の開校式で垂れ幕を下げて飛行するドローン=2016年7月、兵庫県南あわじ市
ドローン教習所の開校式で垂れ幕を下げて飛行するドローン=2016年7月、兵庫県南あわじ市【拡大】

 少子化に加え、車を所有する若者が減ったことで、自動車教習所の経営環境は厳しさを増している。

 警察庁などによると、全国の指定自動車教習所の年間卒業者数は、1988年の約264万人をピークに昨年は約156万人に減少。教習所の経営が圧迫された結果、教習所数も右肩下がりに減り続け、2001年には1500校を割り込み、昨年時点で1332校となっていた。

 こうした中、教習所の経営者が活路を見いだすのがドローン教習への参入だ。

 ドローンは災害対策や映像撮影、建設分野などでの活用が進む。民間調査会社によると、日本国内の市場規模は16年の199億円から20年には1138億円、世界市場も2700億円から7300億円まで膨らむ見通しという。

 一方、ドローンをめぐっては操縦者の目の届かない長距離飛行の規制について議論が政府内で始まったばかりなど、急激な普及に法制度が追いついていない。11月に岐阜県内のイベントで菓子をまいていたドローンが落下し複数のけが人が出た事故では、飛行許可を得ていない機体を飛ばしていた。モラルや安全への意識醸成も課題だ。

 安全対策のカギになるとみられる操縦技術の資格制度などについては、政府の官民協議会のロードマップでは20年以降の整備スケジュールとなる。公的な操縦者養成システムがない中、民間のドローンスクールは乱立気味で、淘汰(とうた)の動きも始まっている。

人材を有効活用