完全民営化へ 商工中金 苦難の道 大幅な意識改革、有能な経営者 (2/2ページ)

商工中金のガバナンス改革を検討する有識者会議の第5回会合は非公開で実施された=20日、東京・霞ヶ関の経済産業省
商工中金のガバナンス改革を検討する有識者会議の第5回会合は非公開で実施された=20日、東京・霞ヶ関の経済産業省【拡大】

 しかし最大のポイントとなるのはトップ人事だ。元経済産業省事務次官の安達健祐社長は辞任し、後任は民間から選ばれる予定だが、委員からは「ビジネスモデルの転換にはかなり強力な経営者で、いろいろな能力がないと大変だ」との声が上がる。

 ただし高度な経営スキルに加え、高いマネジメント能力や実行力などを備えた有能な経営者を見つけるのは簡単ではない。第三者委員会のメンバーにも同様に高い能力が求められ、体裁を整えただけでは再び不正に手を染めかねない。

 完全民営化には法的な課題も残る。商工中金法では完全民営化を目指すとしつつも、危機対応業務の継続のために政府が商工中金の株式を当分の間保有しなければならないとしている。政府以外は中小企業などの協同組合とその傘下の組合員しか株主になれないという条文もあり、政府が保有する約46%の株式を円滑に売却できるかは不透明だ。また民営化に移行する期間を規定する必要も出てくる。

 完全民営化には経産省内での慎重論も根強い。有識者検討会の提言が示された後も、実現には紆(う)余(よ)曲折が予想される。(蕎麦谷里志、高木克聡)