【2018 成長への展望】三井住友FG社長・国部毅さん(63)


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 ■知見を集めて新サービスを生み出す

 --昨年4月から新たな中期経営計画が始まった

 「今後を展望すると難しい環境が継続することは想定せざるを得ない。マイナス金利、国際金融規制の強化、フィンテックに代表されるテクノロジーの進展がある中で、質の高い金融グループとして生産性、効率性、収益性を高めることが重要。上半期の決算は順調だし、中計の施策が順調に進捗(しんちょく)している。今年はこの流れを本格化させたい」

 --昨年は人員削減や店舗改革が話題になった

 「人員削減が全面に出ているが、ビジネスモデルの改革や生産性向上の観点が重要だ。私たちは3年で4000人分の業務量を削減すると言っているが、業務の効率化、店舗改革、グループ再編の3つの大きな柱で削減していく。生産性が低い業務や定型業務が多い従業員を、より質の高い業務や7つの戦略事業領域にシフトし、働きがいを高めたい。人員は自然減で減っていく。採用を減らしており今年の採用は約800人で、約4割減らした」

 --新型店舗も増やしてきた。評判はどうか

 「新型店舗の評判は良く、個人専用店舗も来店者は増えている。年度内に100店舗が新型にできる見通しで、資産運用、相談ニーズが多いので、事務スペースを縮小して相談スペースを増やすということをやっている。また、多くの店舗が駅前の一等地にあるが、スマートフォンの普及などでお客さまの行動パターンが変わり、一等地になくてもよくなってきた。個人専用店舗や、SMBC日興証券との共同店舗など、店舗のあり方を変えて運営効率を上げている。ただ、店舗はお客さまとのアクセスポイントでもあるので、現段階で店舗数を変えることは考えていない」

 --フィンテックへの対応は

 「フィンテック企業と共同で法人を立ち上げ、生体認証サービスを始めた。また、NECとスマホを使った電子バーコードによる公共料金の収納代行サービスも開始した。ミニストップとセイコーマートの両コンビニエンスストアでスタートさせたが、ローソンやセブン-イレブン、ファミリーマートでも今年中の導入を検討している。ブロックチェーンを使ったデジタル通貨は、社内実験を終えており有効性は確認済みだ」

 --シリコンバレーにも人を出している

 「昨年春に出張所を出す際、フィンテック企業と交流するイノベーションラボを作った。渋谷にも同様の場所を作っており、金融機関だけではできないことについて、知見を集めて新サービスを生み出したい」

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【プロフィル】国部毅

 くにべ・たけし 東大経卒。1976年住友銀行(現三井住友銀行)。三井住友銀行取締役専務執行役員、同行頭取を経て、2017年4月から現職。東京都出身。