【新春直球緩球】「魅力的な発信型サイト構築」 三越伊勢丹ホールディングス・杉江俊彦社長

三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長=東京都新宿区(桐原正道撮影)
三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長=東京都新宿区(桐原正道撮影)【拡大】

 --業績回復に向け構造改革に取り組んでいる

 「これまでコスト改革は緩い部分もあった。だが、従業員の努力もあり販促費を減らすなどして、上半期(平成29年4~9月期)は想定よりも40億円ほどコスト削減を上積みできた」

 --訪日外国人向けの売り上げが少ない地方や郊外店は厳しい経営環境が続く

 「百貨店の形態にこだわらずに、ゼロベースで見直したい。ただ、今年3月に伊勢丹松戸店を閉鎖する以外で何か決まったものはない。それぞれの店舗は街の真ん中にあり、単にモノを売るだけでなく、医療やジムなど足を運ばなければ体験できない施設があってもいい」

 --今後の成長戦略は

 「まずはデジタル化に力を入れる。ほとんどの人がインターネットで商品を検索してから買い物に来る。逆に言えば、ネット上に情報がないと買い物に来ない。魅力的な発信型のサイトとスマートフォン向けアプリを年内にも構築する。EC(電子商取引)だけではなく、デジタルで発信することがリアル店舗の売り上げ増につながる」

 --ライバルは不動産事業で先行した

 「百貨店にテナントを誘致するのも大事だが、重要なのは所有不動産の開発だ。新宿や日本橋に有力な不動産を持っており、活用を検討する。これから種をまくが、芽が出るまでに10~15年は時間がかかるだろう。将来的には新宿に巨大な複合商業施設ができるかもしれない」