米ラスベガスで開催中の家電見本市「CES」に、シャープが3年ぶりに復帰した。業績悪化で2016年から出展を控えていたが、台湾・鴻海精密工業の傘下で経営再建が進み、参加を決めた。今後の成長の柱と見込む超高精細な「8K」の映像技術を展示し、世界から業界関係者が集う晴れ舞台で復活をアピールした。
ただ8Kをめぐっては、韓国LG電子も次世代パネル「有機EL」で世界初となるテレビ向けディスプレーの試作機を出展。シャープが得意とする液晶との競争激化も予想される。
シャープの展示会場では、米国の家電量販店や映像制作会社の関係者などを招き、8Kの映像を再現する液晶ディスプレーやプロ用のカメラを披露した。カラフルな絵の具で絵を描いていく映像を撮影しながら大画面に映し出し、肉眼では確認できないほどの高解像度の性能を売り込んだ。
北米市場では、いったん撤退した液晶テレビで新ブランドを立ち上げて再参入することも検討しており、その地ならしとする狙いもある。シャープの担当者は「経営が改善し、8Kの魅力を訴える環境が整った」と強調。テレビ以外の医療や防犯などへの応用も商機になるとみている。(ラスベガス 共同)