かかりつけ医の報酬アップ 初診で大病院と役割を分担

 厚生労働省は、かかりつけ医として患者を診療する開業医への報酬を加算する。初診料が発生するケースが主な対象で、高度な医療を担う大病院との役割分担を進める狙い。4月からの診療報酬改定に反映する。

 大病院が初診や軽症の患者で混雑すると、入院や手術が必要な重症者の対応に支障が出る恐れがある。このため厚労省は、身近なかかりつけ医が日常的な診療や健康相談に応じ、必要な場合に専門医のいる大病院を紹介する体制づくりを目指している。ただ、かかりつけ医は24時間対応や医薬品の管理などが求められ、負担が重いとの声が現場から上がっている。厚労省は、かかりつけ医を増やすため、相談や紹介など初診患者の受け入れ体制が整った医療機関の診療報酬を手厚くする方針。

 厚労省は紹介状なしで大病院を受診した患者に5000円以上の追加負担を求める制度についても、4月から対象病院を現在の500床以上から400床以上に拡大して、かかりつけ医の診察を受けるよう促す。