味の素「クノール」新シリーズ 即席スープで手軽にタンパク質

「商品名と箱のデザインは、中身の栄養素がはっきり分かるようにしました」と話す味の素の高橋和也さん
「商品名と箱のデザインは、中身の栄養素がはっきり分かるようにしました」と話す味の素の高橋和也さん【拡大】

 ■健康寿命

 味の素が2017年8月に発売した「クノール たんぱく質がしっかり摂れるスープ」が60代以上のシニア層を中心に好調だ。1杯分の中にタンパク質が一般のクノールスープの約8倍に当たる8グラム入っており、粉末にお湯を注ぐだけで手軽に栄養を補える。

 医療や介護に依存せず、自立した生活ができる「健康寿命」を延ばすことが社会的な課題になっている。開発を担当した高橋和也さんは「健康に問題のない人が、できるだけ長く元気に暮らせるよう貢献したいと考えた」と狙いを明かす。

 高齢になると肉類をあまり食べなくなり、タンパク質が不足する人が多いとされる。その結果、筋肉が衰えて、日常生活の動作に支障が出る「ロコモティブシンドローム」につながることがある。高橋さんは「タンパク質が不足しがちな朝食、昼食のときに飲んで栄養を補ってもらおうと着目した」と話す。

 タンパク質を増やすと独特の臭いが出るという。しかし、長年の食品開発の技術を生かして風味のバランスを整え、臭いを消す工夫をした。「一般のクノールスープと比べて遜色のない味」と自信を見せる。

 骨のもとになるカルシウムと、カルシウムの吸収を促進するとされるビタミンDも配合。味は「コーンクリーム」と「ポタージュ」の2種類。2袋入りで店頭想定価格は240円前後。高橋さんは「日常の食生活でシニア層の健康に役立つ商品をさらに増やしたい」と意気込んでいる。