【トップは語る】九州産交リテール まずは地固め、5年で事業規模倍増


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 □九州産交リテール社長・松原靖さん(58)

 --昨年10月に社長に就任したばかりだが、まずは抱負を

 「われわれは、熊本を拠点にバスなどの公共交通や複合施設事業などを展開する九州産交グループの事業会社として、主に飲食・物販店舗の運営や誘致などを手掛けてきた。発足して約2年半、九州自動車道のサービスエリアや阿蘇くまもと空港内の飲食施設や熊本城に隣接する商業エリアのお土産店などの運営を進めてきたが、今後はこれら既存店舗の経営を安定したものにするなど、しっかりと“地固め”をしたいと考えている。同時に、エリアや業態、事業領域の面でさらなる拡大を検討していく」

 --市場や地域の経済環境をどうみるか

 「熊本城の修復工事が続いているなど、熊本地震の影響が残ってはいるものの、訪日外国人観光客の増加など、環境は悪くない。2019年には九州産交グループの本拠地で熊本城に近い市街地中心部の桜町に大規模な再開発施設が完成する。東京五輪の翌年の21年にはJR熊本駅ビルも誕生する。一方で、NHK大河ドラマは明治維新150周年にちなんで鹿児島が、翌19年は前回の五輪にちなんで熊本が舞台となる。熊本を含め、今後数年間の九州は国内外から多くの観光客が往来するとみられている」

 --当面の重点施策や目標は

 「自社ブランドの開発展開や新分野の開拓など、新規事業にも注力したい。このため、それらを担う人材の育成なども同時に進めていく。『企業は人なり』というが、飲食などの分野ではまさに『人が全て』だ。現場力を高めることで、トレンドを含めた情報を収集し、求められるサービスを創出していく。今後5、6年で事業規模を倍増させ、売上高100億円を目指したい」

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【プロフィル】松原靖

 まつばら・やすし 1986年、九州産業交通(現・九州産業交通ホールディングス)入社。同社レストラン部門、九州産交ランドマークなどを経て2015年、九州産交リテール取締役営業本部長。17年10月から現職。熊本県出身。