【新春直球緩球】第一生命ホールディングス 稲垣精二社長「日米にフィンテック開発拠点」

第一生命ホールディングス・稲垣精二社長(酒巻俊介撮影)
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 --昨春の社長就任後、新たに見えてきた課題は

 「当社が目指すのはグローバルの大手企業と互角に戦うことだ。グループの英知を結集するため、海外グループ会社のトップにも、より積極的に経営に参画してもらう仕掛けを作る」

 --ITを活用した金融サービス「フィンテック」の戦略は

 「米シリコンバレーと東京に4月、開発拠点を開設する。失敗を恐れず、自由に試してもらう場にする。計約20人体制になる見込みで、ヘルスケア分野の専門家などの中途採用も検討している。いいアイデアが出てくれば、グループ会社に展開していきたい」

 --4月の標準生命表改定への対応は

 「そのタイミングで当社で蓄積してきた契約者の健康状態や保険料の支払いといったビッグデータを生かし、健康増進をキーワードにした商品を発売したい」

 --外貨建て保険の売れ行きが好調だ

 「傘下の第一フロンティア生命保険が開発した外貨建て保険を第一生命保険の営業職員が積極的に売っている。平成29年度上期の第一フロンティアの売り上げの約1割はこの経路での販売だった。この動きはさらに加速している」

 --代理店の販路拡大の方針は

 「顧客の嗜(し)好(こう)が多様化し、営業職員が接触できない層も出てきた。ドラッグストアなど健康に気を使う人が集まる場所を狙って、当社の保険商品を販売してもらえる先を増やしたい」